メディア・取材履歴
経済リポート 2023年09月10日号 に掲載されました。
経済リポート 2023年09月10日号 に掲載されました。
三原三共アメニティ
社長 沖迫義樹さん
工務店向けの営業強化
人への投資でサービス力上げる
シロアリなど害虫駆除業の㈱三原三共アメニティ(沖迫義樹社長)は、工務店やハウスメーカー経由での受注を拡大させる考えだ。地場の工務店では人手不足を背景に建設した住宅のメンテナンス作業が行き届かない傾向にあり、三原三共アメニティでは住宅の定期点検などフォローサービスを打ち出した。少子高齢化社会を迎え、将来的に住宅着工件数が鈍る予測の中、今後の需要の取り込み策などを6月に社長に就任した沖迫義樹氏に聞いた。
―工務店向けの営業を強化しています。参入背景などをお話下さい
「ハウスメーカーは、住宅メンテナンスに専門の人材を配置する傾向が強いですが、地場の工務店に商機があると踏み切りました。工務店には、シロアリ駆除サービスを中心に、防カビ剤の塗布や住宅基礎のひび割れ補修サービスなど、多彩な商品群で支持を獲得したい。新築の住宅に販路を持つことで、弊社としては長い取引が期待できます」
―備後地区を主要商圏としますが、近年では愛媛県や大阪府など他府県にも進出しています。ねらいについて
「代理店をしている三井化学クロップ&ライフソリューション㈱の紹介で他府県に進出しています。福山や三原市などの備後地区が重点エリアですが、今期は愛媛県松山市を中心とした中予地区の営業を強化します。一般的にシロアリなどの床下の作業は、担当者が信頼されることが第一条件で、他府県でもコミュニケーションとサービス力を武器に受注獲得を急ぎたい」
―健康経営優良法人に2年連続で認定されるなど、社員の生産性にも注力しています。
「社員の体調が良いと、社内のコミュニケーションが円滑で、まさに一挙両得。また、DX化(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みで営業社員にタブレット端末を持たせ、販売支援ソフトのセールスフォースで顧客データを共有することで、販売数量の多い社員の営業ノウハウを他の社員にも啓発する取り組みを始めました。情報のブラックボックス化を防ぐねらいでもありますが、これで全社員のスキル向上にもなります」
―沖迫社長は今春、MBA(経営学修士)を取得しました。経営に生かす点について
「グロービス経営大学院(大阪府)で学び、全国に経営者仲間ができ、さまざまな情報が入りやすくなったことが最大の収穫。また、異業種団体の福山経営研究会でも事務局長を務め、地場経営者との横のつながりも社長となり、フル活用したい」
―会社の展開について
「設立58年目を迎え、備後地区では一定の知名度も獲得できたとの自負があります。副社長時代から、100年企業を目指すとの目標があり、そのためには地域と社員に愛されることが大前提と考えています。今後もソフト、ハード両面の拡充を進めていき、営業エリアの拡大を視野に入れたい」
▽㈱三原三共アメニティ=福山市瀬戸町地頭分118―1、電084・952・2436。同社は1965年設立。資本金1千万円、関連のリリーフ㈱含めた従業員は53人。
▽沖迫義樹=1976年10月17日、三原市生まれ。近畿大学生物理工学部生物工学科卒業。IT関連企業勤務を経て、三原三共アメニティ入社。副社長を経て、今年6月5日付けで社長。MBA(経営学修士)。福山経営研究会では事務局長、広島県中小企業家同友会E地区にも所属。趣味は釣りと山登り。福山市内在住。